「メッシが凄い」だけで終わらない

前回に引き続きPSTプログラム終了後にバルセロナに残りフピテルというクラブで育成年代の第一監督を務めている矢沢さん(アカデミー3期生)のお話をお届けします。

前回の記事はこちら

今回はその後編。2016年1月にバルセロナにやってきて2年も経たないうちに第一監督としてチームを指導するようになった矢沢さん。まだまだスペインでの監督一年目で苦労することも多いと語りますが、到着後一年半、しかも到着時はスペイン語はほとんど話せない状態から現地の言葉でスペイン人に指導をしているのはひと昔前から考えるとあり得ないことです。一年半のPSTアカデミーの期間に通ったコーチングスクールが彼にどのような影響を与えたのでしょうか。



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‐では少しテーマを変えましょう。バルセロナにきて2年…

まだ2年経っていませんね。2015年の1月にきましたからね。あと少しで1年と10ヵ月です。


‐まだそれしか経ってないんですね。早いですね。というのは第一監督として指導するのに行きつくまでにとても早い。

そうですね。約1年半で第一監督ですからね。


‐イメージしてたんですか?

全くです(笑)こっち来る前はそれを目標にしていましたけどね。コーチングスクールをサッと終えて早く現場に立つぞ!って思っていましたけど今考えてみると恐ろしいことをしていますよ。


‐でも、まあ何とかなっているでしょ?凄いですね。

選手たちは私のスペイン語にも苦労していると思いますよ。でも子供なので慣れるのも速いしそのおかげで何とかなっています。


‐ひと昔前だったらあり得ないスピード感です。これまではバルセロナにきて3年くらいしてから第一監督をやらせてもらうのが普通のペースでした。バルセロナに居る他の日本人指導者の先輩たちの背中を見て将来をイメージしたりしますか?

いえ。それはあまりありません。自分が日本人なので先輩の歩んできた道は意識はしますしそれは避けられないことだとは思いますが、目標とかそういう風には捉えていませんね。もちろん参考にはします。自分には経験も無いしこういうやり方があるんだというように学ぶ部分はありますが、マネをしても面白くないので自分のやり方を探しています。


‐では、スペイン人も含めて参考にしている指導者などはいますか?

あまりいませんね。カッコつけていうと「自分流」を突き詰めています。でも尊敬している指導者はオシムで、どこかで彼の哲学は自分に影響を与えていると思っています。「考えながら走れ」などは自分に影響を与えています。


‐これまで培ってきたものは自分で学んできたことなのですね。

そうですね。自分の目で見て、自分で考えてきたことがほとんどですね。この前SayFootに参加したもの自分の指導に行き詰っていたので、他の方の練習に参加することで参考になるかなと思って参加しました。そこで、「ああ、こういう風に考えるんだ」と練習内容とは別に気づきがありました。


‐コーチングスクールに行くといろんな理論を頭に入れますよね。それはだいぶ為になりました?

はい。それまでは混沌としていた頭の中がだいぶ整理されました。でもコーチングスクールが終わってサッカーが理解できたかというとそうではなく、まだまだ分からないこともあると感じます。


‐でも行っていなかったらそれはそれで違った結果になったんじゃないですか?

自分がサッカーのことを知らなかったということさえにも気づかなかったでしょうね。サッカーでこういう様に構造があり、このように成り立っててという知識を習得しそれを通して試合を見てみようってなるのですが、コーチングスクールに行っていなかったらそれさえもわからず試合を見るので、自分がサッカーを分かっていないということさえも分からなかったでしょうね。


‐多少は日本に居る時とは違いますか?例えば、あっと思ったこととかありますか?

昔だったら、メッシが凄い、ロナウジーニョが凄い、プジョルが闘ってるな、の様な視点だけしかサッカーを見る方法はなかったのですが、今では「このチームは何をしようとしているんだろう?」とか、「こういうプレーの仕方があるんだ」という様にチームのプレーを見る様になりました。昔は選手一人しか見ていなかったので、「メッシが居ないんだったらつまらないからいいや」くらいに見ていたのですが今はチームを見るので、昔だったら絶対に見ないようなサッカーを見たりもします。ラスパルマスとか。


‐なぜ?

自分のチームの参考になるんですよね。面白いことやるなとか。ラスパルマスくらいだとバルサと比べてそこまで良い選手がいるわけではありませんから、昔の目線だったら「誰も知らないから見なくていいや」という風になっていたと思うのですが、今はラスパルマス、レアルソシエダ、ビジャレアルとかには注目しています。


‐ちょっと下の方が面白いですか。

選手のクオリティではバルサやRマドリーには勝てないチームがどのようにして戦おうとしているのかが興味あります。


‐そうですね。様々な策を講じて戦わなければいけないチームですからね。それは自分のチームと通じることもあるのですね。

そうですね。


‐ありがとうございました。週末の試合も頑張ってください。


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スペインに渡り1年半で監督としてのスタートラインに立った矢沢さん。バルサのような華麗なサッカーができるレベルの選手を扱っているわけではなく、選手のレベルに合わせてトレーニングの難易度をコントロールしなければならない環境下で日々試行錯誤しながら監督生活を送っています。矢沢さんの言葉にもある通り「自己流」で自らの道を進む彼の姿はプレサッカーチームの理念でもある「Construye tu fútbol(自らのサッカーを構築する)」に見事にマッチしています。

近年バルセロナでは矢沢さんのように現場に立ち日本人指導者としてリーグ戦の試合を戦う指導者がPSTアカデミーの生徒を含めて増えてきています。以前であれば、育成年代であっても日本人が監督としてチームを率いるに至るには3年ほどの時間がかかっていましたが、今ではその時間も短縮されて現場で早い段階で活動することが可能になってきています。

今後どんどんとスペインのリーグ戦の環境の中で揉まれた逞しい指導者がPSTアカデミーの中から出てくることは間違いないでしょう。そして彼らが世界へ、また日本へ帰った時に現地のフットボールを進化させてくれる未来は近そうです。



◼︎バルセロナで開催のグローバルな指導者育成プロジェクトは『PSTアカデミー』

スペイン語を習得し、スペインのサッカーコーチライセンスを目指すならこちら!OBもサッカー界で活躍しています。

http://www.spain-ryugaku.jp/soccer/

2017年9月スタートハイクオリティコース

2017年1月スタートベーシックコース


【12月4日スペイン留学フェアが東京で開催】

プレサッカーチーム代表の坪井も現地にてプログラムの内容のプレゼンテーションをさせていただきます。スペインでサッカー指導者の留学に興味がある方は是非おこしください。「世界最高の指導者留学」があなたはお待ちしています。

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PreSoccerTeam oficial

スペインのバルセロナに拠点を置くサッカー指導者育成事業をメインに活動を進める PreSoccerTeam(プレサッカーチーム) PSTアカデミーや日本各地の支部の活動の様子をお届けします。

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